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備前伊部の庭

「ここから、料理をしながら、庭を眺めるのよ。いいでしょ。」

 
建物のリノベーションを行う際に施主様から庭も一緒にとご依頼いただきました。
「私は庭いじりが好きなの」。とおっしゃる施主様は緑が多く自然を感じることができる庭をご希望でした。自然石と築山、そして四季を感じることのできる植栽。植物は以前から庭に植えてあった木々と周囲の山々に自生する植物など、できるだけ人の手が加えられていない自然な感じを意識しました。
古い家具や、建具などを活かした建物は施主様の趣味で集められた絵画や調度品で温もりのある空間となっています。「好きなものに囲まれて暮らしたいの」。それはインテリアや美術品だけではなく、庭の緑も含まれるのだなぁと心がふんわりとあったかくなる住まいに感じられたのでした。

縁側の引き戸を開ければ外と中が繋がる空間に。

縁側には庭を借景にした生花も趣があります。

縁側に花を生ける。

楓の葉が濡れている
雨も良い、いや雨は良い

庭の緑と母家が一体となって穏やかな暮らしを見守ります。

リビングは庭が見渡せるように大きな開口。

 

建物のリノベーションのタイミングで庭のリノベーションを行なってからも幾度となく庭のお手入れと多少の変更を行なってきました。今も年に一度はお手入れにお邪魔しています。いつお邪魔しても綺麗に手入れされた庭は、施主様が楽しみの一つとして日々お手入れを続けられていることがよくわかります。「庭いじりが好きなのよ」。と笑って話される施主様は本当に楽しそうです。
「このキッチンは、ここに立つと庭がしっかり見えるでしょ」。キッチンの正面は掃き出しの窓が大きく開いて庭の一画が見える。そして右手のリビングは二面を窓にして外が見渡せる。「座ってね、庭が見えるように窓にしてもらったのよ」。縁側も、庭に面している南側は全て庭がよく見えるような開口となっている。住宅と庭が調和した住まい。庭あっての住居といった佇まいが施主様の暮らし方を表しているようです。
どんな暮らし方が自分にとって好ましいのか。趣味趣向、置かれた環境・・・、百人百様、人それぞれに生き方、暮らし方は違います。その人に寄り添った庭づくりが私たちにできる庭づくりです。

母家をぐるりと回る。緑のいろんな顔が見える。

キッチンに立って庭を眺めながら料理を作る時間も愛おしい。

調度品は庭を借景に。

山野を歩くような、緑に包まれるような庭となっています。

ふと、ここにいるよと語りかけるものがある

緑、緑、緑・・・草木はそれぞれに主張する